2024年夏実施試験を考察! 教セミ編集部座談会③

最新の『月刊 教員養成セミナー』から、教員志望者の方々に役に立つ情報を抜粋してお伝えします。


教セミ編集部座談会③ 〜重要6トピックで気になった点&予想

2024年夏の教員採用試験の出題傾向を知ることは、2025年夏試験に向けた効率的な対策につながります。そこで、2024年夏試験について教職教養を中心に教採対策担当者と教セミ編集部員が徹底分析。2025年夏試験にも出題が予想される重要トピックまで、編集長Mが司会で座談会形式でお届けします(その③)。

1 『生徒指導提要』(改訂版)

M:ここからは、最近の試験で出題頻度が特に高い重要トピックについて、皆さんに聞いていきます。まずは、出題率No.1だった『生徒指導提要』(改訂版)についてお願いします。

S:2023年夏実施試験では、「第I部 1.1 生徒指導の定義と目的」や「1.2 生徒指導の構造」から、よく問われていました。そのためか、2024年は「第II部」からの出題が多く、「いじめ」や「多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導」「不登校」「インターネット」などが出ていました。特に「いじめ」は、「いじめ防止対策推進法」が頻出ですが、『生徒指導提要』にある「いじめ」の項目も、これから出題が増えていきそうです。

M:教採では、同じ資料をよく出す自治体でも、その違う部分を出題することがよくありますね。

S:そうですね。前半の基本の部分が出題され尽くされると、次の年は個別の部分が出る傾向が『生徒指導提要』に限らずありますよ。

I:東京都は2024年は初めて『生徒指導提要』から出題がありましたが、まずは基本的なところからということなのか、「1.2.1 2軸3類4層構造」の「生徒指導の4層」について問われていました。

T:そうなると、2025年は前半の生徒指導の「定義」と「目的」が狙われるかもしれないですね。

I:2024年もそうでしたが、宮崎県は『生徒指導提要』からの出題が毎年多いので、他の自治体を受ける受験生も、どんな出題があったか見ておくといいと思います。

2「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~」

M:続いて、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」(以下、令和答申)は、2021年に中央教育審議会から出た答申ですが、「はじめに」と「第I部 総論」が定番のポイントとして出題されてきました。2024年夏実施試験では、違った傾向があったでしょうか?

I:「令和答申」は「個別最適な学び」と「協働的な学び」というキーワードがこれまで頻出しましたが、自治体ごとに教師を目指すなら知っておいて欲しい部分が出題されるようになってきたように思います。例えば、新潟県は情報教育を出題する傾向がありますので、「令和答申」のICT関連が出題されていました。

S:私も、「第I部 総論」から「第II部 各論」に出題傾向が移った印象を受けました。

T:「令和答申」の「教師版」といえる「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~(答申)」(2022年12月)からも、出題が増えてきたので対策が必要です。「第Ⅰ部 総論」だけでも目を通しておいてほしいですね。

〜続きは『教員養成セミナー 10月号』をご覧ください。


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10月号では、2024年実施試験(※)の傾向を分析し、2025年実施試験に向けて注目すべき重要6トピック(①『生徒指導提要』、②「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~」、③「第4期教育振興基本計画」、④特別支援教育、⑤いじめ・不登校、⑥児童生徒関連)を精選! 各トピックの押さえておきたい基礎のキソを分かりやすく解説し、実際の2024年に出題された実施問題も掲載しています。ぜひお手にとってご覧ください。 
(※本特集は7月31日時点で編集部が入手できた情報を基に構成されています。)