シン・教育ワードたっぷりの「第4期教育振興基本計画」

最新の『月刊教員養成セミナー』から、教員志望者の方々に役に立つ情報を抜粋してお伝えします。


今後の教育を示す羅針盤「教育振興基本計画」

5年毎に社会の変化に合わせてつくり直される,今後の教育の方向性を示す羅針盤「教育振興基本計画」。2023年6月に,第4期教育振興基本計画が閣議決定されました。
閣議決定から少し時間は経っているものの,教員採用試験の筆記試験で出題されるのは,来る2024年夏試験が“初”となります。そして,このような新たな資料は,教員採用試験では超狙われやすいのです。資料の性質から考えても,「今後の教育の方向性を示すもの」ですから,今後教員になる皆さんに直接関わってくるもの。採用する側としては必ず知っておいて欲しいものなのです。
そこで,本特集では,教育振興基本計画がそもそもどんなものなのか,第4期計画で重要なところはどこなのか,イチから解説していきます。

PART1
教育振興基本計画のキホンを知る!

2023年6月に閣議決定された「第4期教育振興基本計画」。2024年夏試験で多数自治体での出題が予想されますが,そもそも「教振興基本計画」とは何でしょうか。基本事項を説明します。

5年間の国の教育の方向性を示す羅針盤

教育振興基本計画は,政府がつくる教育に関する総合計画です。国の教育政策全体の方向性や目標といった日本教育の大枠から,より細かく具体的な施策まで定められています。
教育のあるべき姿は,時代によって異なりますから,5年毎にそれまでの成果と課題を振り返り,計画をつくり直しています。
2020年からのコロナ禍で生活様式が一変したことからも分かるように,たった5年でも社会は大きく変わり,それに伴い教育の在り方も変化していきます。
このような予測困難な時代の中で教育の方向性を示すものとして,文部科学省は教育振興基本計画を「羅針盤」と表現しています。

教育基本法で作成・公表の義務が定められている

教育振興基本計画は,法律に基づいて作成されている計画です。
以下の通り,教育基本法第17条で,計画の作成と公表の義務が定められています。

各自治体には作成の “努力義務” がある

実は,教育振興基本計画をつくるのは政府だけではありません。上記,教育基本法第17条第2項では,地方公共団体に地域の実情に応じた計画を定める努力義務を定めています。
しかし,努力義務ではあるものの,全都道府県・政令指定都市・中核市で策定されています。教採ではローカル問題として出題されることがあるため,受験自治体の計画は必ず確認するようにしましょう。

2つのコンセプトに基づいた,
令和5〜9年の5年間の日本教育の方向性を示すもの

キホン1で説明した通り,教育振興基本計画は,5年毎につくり直されています。2023 年6月に閣議決定された計画は「第4期計画」で,令和5~9年の教育政策の計画が示されているものです。
第4期計画は,第3期計画期間中の成果と新たな課題を踏まえて,2つのコンセプトを掲げています。コンセプトとは,「ベースとなる考え方や方向性」を意味します。計画全体を貫く2つのコンセプトは,今後5年間の教育の土台といえます。まず押さえるようにしましょう。


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