最新教育キーワード解説 「いじめ防止対策推進法」「重大事態」

教員採用試験で登場する可能性のある、重要な最新教育キーワードを解説します。言葉の意味をしっかり把握して理解を深めましょう。毎週火曜・木曜に更新します。


【いじめ防止対策推進法】

2013年制定。いじめを受けた児童等の尊厳を守るため,いじめの防止対策のための基本理念を定めた。いじめを「被害を受けた子どもが心身の苦痛を感じているもの」と明確に定義し,いじめを早期発見・解決する取組みを推進している。

なお,いじめの定義において「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う」とあるため,この法律で定められているのは「児童→児童」のいじめである。教員から児童等へのいじめや,教員同士のいじめは含まれていない。

【重大事態】

いじめ防止対策推進法第28条に記されている。

「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」(いじめ重大事態)

「いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」(不登校重大事態)

重大事態と認められたときは,学校や教育委員会は速やかに調査を実施し,事実関係を明確にして保護者等に報告する義務がある。問題行動等調査(文部科学省)によると,令和4年(2022年)度間のいじめ重大事態の件数は923件(前年度706件)。前年度に比べ217件(30.7%)増加し過去最多となった。