現在の学校では、「プログラミング教育」に取り組むことが求められています。
具体的に、どんな実践が行われているのか、試験対策のポイントとあわせて解説していきます。
「プログラミング教育」では、どんなことを学ぶの?
「プログラミング教育=プログラミング言語を覚える」と理解している人がいるかもしれませんが、そうではありません。学校におけるプログラミング教育の目的は「プログラミング的思考」を育成すること、プログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を子どもに身に付けさせることです。具体的に、「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」では、以下の4つの類型が示されています。
「プログラミング教育」は、どの校種・学年で行われるの?
2020年4月から順次実施された現行学習指導要領において、プログラミング教育はすべての校種・学年で行われるようになりました。メディアでは「プログラミングが全校種で必修化された」などと報じられましたが、すでに中学校や高校では実施されており、小学校での実施が盛り込まれたことで、全校種で行われるようになったというわけです。
小学校では、教科を問わずさまざまな場面で実施することが求められていますが、中学校では主に「技術・家庭科」の技術分野、高校では主に「情報Ⅰ」で行われています。高校の「情報Ⅰ」は、2022年度の入学生からスタートしたことを踏まえ、2024年度の大学入学共通テスト(2025年1月実施)の実施科目になりました。「情報Ⅰ」の履修内容の一つに「コンピュータとプログラミング」があり、ここから出題される可能性は十分にあります。
プログラミング用のアプリにはどんなものがあるの?
「プログラミングを子どもに教えるなんて無理!」と、パソコンや機器が苦手な人の中には思う人がいるかもしれませんが、今は感覚的に使える便利なアプリがたくさんリリースされています。実際によく使われているものをいくつか紹介します。
▶Scratch[スクラッチ]
画面上のブロックをつなぎ合わせてプログラムする「ビジュアルプログラミング言語」。初心者でも簡単に使える。
※Scratchは、MITメディア・ラボのライフロング・キンダーガーテン・グループの協力により、Scratch財団が進めているプロジェクトです。https://scratch.mit.edu から自由に入手できます。
▶Viscuit[ ビスケット]
「メガネ」という仕組み一つで単純なものから複雑なものまでプログラミングできる。幼稚園や小学校低学年でも、広く活用されている。
▶micro:bit[ マイクロビット]
教育向けのマイコンボード。プログラミングを通じ、 LED画面に文字や図形を表示したり、スピーカーから音を出したりできる。
▶ライフイズテック レッスン
中高向けのプログラミング教材。学習指導要領の内容に沿う形で、Webサイトなどを実際に作りながらプログラミングを学べる。
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