2部構成、全13章にもわたる『生徒指導提要』。全てを頭から読み込んでいっては、時間が足りません。まずは、理解の土台をつくるために、2つの要点を押さえましょう。これを頭に入れて読み込むのが、『生徒指導提要』攻略のカギです。
要点1 生徒指導の「定義」と「目的」は要暗記!
ズバリこの資料で一番重要なのはココ!
『生徒指導提要』の最大の特徴の一つは、第1章の冒頭で、生徒指導の「定義」と「目的」が明記されていることです。
生徒指導の定義は、「児童生徒が、社会の中で自分らしく生きることができる存在へと、自発的・主体的に成長や発達する過程を支える教育活動」と示されました。ポイントは、子供たちが主体的に成長し、それを支える活動として、生徒指導があるということです。
また、生徒指導の目的は、「児童生徒一人一人の個性の発見とよさや可能性の伸長と社会的資質・能力の発達を支える」「自己の幸福追求と社会に受け入れられる自己実現を支える」ことにあるとされました。
生徒指導と聞くと、問題行動への対処などに目が奪われがちですが、子供たちが社会で活躍し、幸せをつかみ、自己実現するためのもの、という大きな視点でとらえる必要があります。教採では、定義や目的は、どんな資料であれ法律であれ、定番の出題ポイントです。この部分は、何度も読み込んで暗記するようにしておきましょう。
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生徒指導の目的を達成するために「自己指導能力」が必要
前述した通り、生徒指導の目的は、子供たちが社会で活躍して自己実現することです。でも、よく考えてみてください。教師は、社会に出たあとの子供たちの自己実現をサポートできるでしょうか。当然、できません。
生徒指導の目的を達成するために必要なのは、子供たちが、「何をしたいのか」「何をするべきか」、主体的に問題や課題を発見し、自己の目標を選択・設定して、目標達成のために自らの行動を決断し、実行していくことです。この能力を「自己指導能力」と言います。
自己指導能力を育むために教師は、⑴自己存在感の感受、⑵共感的な人間関係の育成、⑶自己決定の場の提供、⑷安全・安心な風土の醸成、の4つに留意して生徒指導に取り組むとされています(下図参照)。
「自己指導能力」は改訂前の『生徒指導提要』でも使われていた重要なキーワードです。必ず押さえておくようにしましょう。
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※図版参照:教員向けデジタルリーフレット「『生徒指導提要(令和4年12月)』のポイント」(東京都)
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