今夏実施の1次試験「標準日」に実施するのは8自治体 5月中の実施は10自治体に

2025年に実施される令和8(2026)年度の教員採用試験について、3月10日までに1次試験の試験日程が全自治体で出揃い、文部科学省が1次試験実施日の目安とした「標準日」にあたる5月11日(日)に実施する自治体は茨城県や長崎県など8自治体(※1)で、前年度(2024年実施)試験の実施標準日(6月16日)での16自治体(※2)に比べ減少したことが判明した。
※1=一部の校種・教科で1次試験を先行実施する新潟県、新潟市を含む。なお、静岡エリアでは5月10日に筆記試験を実施、11日は静岡県の一部校種を除き面接試験を実施。山口県は5月10日に一部の教科で実技試験を実施し、11日は筆記試験を実施。
※2=ただし2024年の1次試験実施の「標準日」よりも前に実施した自治体は20自治体あり、そのうち14自治体は標準日前日の6月15日に実施。

今夏の1次試験は、5月10日(土)の静岡エリア(静岡県、静岡市、浜松市)と山口県(※一部教科の実技試験。筆記試験は11日に実施)からスタートし、文部科学省が1次試験実施の目安となる「標準日」の11日(日)には茨城県と長崎県、および新潟県(一部の校種・教科の第1回目試験)、新潟市(小学校5月検査)で行われる。また、翌週の17日(土)に島根県、31日(土)に高知県が実施。5月中に1次試験を実施するのは10自治体で、前年度の4自治体(茨城県、静岡エリア)から増加している。
このうち山口県と島根県は前年度試験(7月6日実施)よりもおよそ2ヶ月前倒しして1次試験を実施。また長崎県は昨年に続き2年連続で試験日程を約1ヶ月ずつ前倒しし、九州エリアの統一日程から離脱する形となった。

これ以外の自治体については前年度試験とほぼ同じ日程での実施となり、6月中に実施するのは29自治体、7月中に実施するのは28自治体(新潟県、新潟市を含む)となっている。
なお、1次試験の一部受験者を対象に筆記試験の代わりに「SPI3」を実施する茨城県と横浜市は、従来の1次試験の日程に先立ち、4月にSPI3の検査期間を設定している。

文部科学省では昨年度から、採用倍率の低下や受験者数の減少、民間企業等の就職活動の動向を踏まえ、教師志願者の増加を図り、質の高い教師の確保に繋げる観点から、教員採用試験の早期化を進めるという方向性を示しており、前年度試験では半数近い自治体で標準日として設定した6月16日やそれより以前に実施日を設定したが、今年度試験ではほとんどの自治体が前年度と同様の試験日程での設定となっている。

※試験日程は時事通信出版局調べ。

【参考】文部科学省・令和8年度教員採用選考試験の実施に関する留意点等について(通知)
https://www.mext.go.jp/content/20240426-mxt_kyoikujinzai01-000011998_4.pdf