最近、よく耳にするようになった「EdTech」という言葉。
「教育DX」を推進する上で不可欠とも言われるこの言葉について、解説していきます。
「EdTech」って何?
EdTechとは、 Education(教育)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、教育にイノベーションをもたらすアプリやサービスのことを指します。海外では以前からさまざまなEdTechが学校教育等で活用されてきましたが、日本では1人1台端末の整備を機に、一気にその市場規模が広がりました。
EdTechを開発・提供しているのは民間の教育系企業で、その中には小規模のベンチャー企業も少なくありません。そうして民間の斬新なアイデアやノウハウも活用しながら、子どもたちの資質・能力を育成していくというのが、日本の教育DXの目指すところなのです。
どんなEdTechサービスが使われているの?
日本の学校で活用されているEdTechサービスは、大きく「教科学習系」と「校務支援系」に分かれます。
「教科学習系」には、各教科の知識・技能の定着を図るドリルアプリ、授業で教材の配付・回収・共有などができる授業支援アプリなどがあります。いずれも児童生徒の学習状況が、教員用の端末等から確認できるようになっている点が特徴です。
一方の「校務支援系」のアプリには、教員と児童生徒が予定や学習計画を共有したり、教員と児童生徒間でメッセージをやりとりしたりといった機能があります。どんなEdTechサービスが導入されているかは設置者(自治体等)によって異なります。
▶︎経済産業省の「未来の教室」と「EdTechライブラリー」
文部科学省だけでなく、経済産業省も教育DXの推進に向けてさまざまな事業を行っています。その1つが①学びのSTEAM化、②学びの自律化・個別最適化、③新しい学習基盤づくりを3つの柱に据えた「未来の教室」プロジェクトです。その公式サイトにある「EdTechライブラリー」には、学校教育で使えるさまざまなアプリやサービスが、使い方や導入効果なども含めて紹介されています。
よく使われているEdTechサービスを教えて!
1 人1 台端末が配備されたことを機に、日本では実にさまざまなEdTechサービスが続々とリリースされました。その中から、よく使われているものをいくつか紹介します。
授業支援アプリ
▶︎ロイロノートスクール
プリントの配付や回収、課題の実施・提出などがすべてデジタル上でできる万能型の授業支援アプリ。誰にでも簡単に、感覚的に使える点も特長の一つ。
▶︎MetaMoJi (メタモジ) ClassRoom
クラウド型の学習支援アプリ。複数人が同時並行でスライドなどを作成することができるため、協働学習などで幅広く活用されている。
▶︎Google Workspace for Education
グーグル社が提供する教育機関向けのパッケージ。その一つ「Google Classroom」には、課題配信やクラスコミュニケーションなどの機能がある。
▶︎スクールタクト
AIとスタディログを活用し、リアルタイムに学び合いを可視化することで先生をサポートするオンリーワンの授業支援クラウド。
ドリルアプリ
▶︎すららドリル
生徒一人一人の学力に応じて演習問題に取り組めるドリル教材。間違った問題の原因にさかのぼるなど「個別最適な学び」を実現。
▶︎Qubena(キュビナ)
AIを搭載したドリル教材。一人一人の学習履歴から間違いの原因を特定し、つまずきの原因となる箇所に立ち返って出題をしてくれる。
学習管理ツール
▶︎Studyplus for School
生徒一人一人の学習時間・内容、滞在時間などあらゆる情報をデータ化。モニタリングを通じて、学習支援や生徒指導に生かせるツール。
▶︎Libry(リブリー)
既存の教科書や教材をデジタル化。各問題の自己採点結果に基づき個別化学習をサポート。宿題や評価の効率化で教員の働き方改革も実現。
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