※本誌掲載分の中から一部を紹介します。

◎ワンポイント解説◎「令和の日本型学校教育」に通ずる生徒指導
上記の「学習指導と並んで学校教育において重要な意義を持つ」という箇所で真っ先に思い浮かべてほしいのが「令和の日本型学校教育」です。
中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」(2021年1月26日)の中で、「日本型学校教育」について「学校が学習指導のみならず、生徒指導等の面でも主要な役割を担い、様々な場面を通じて、子供たちの状況を総合的に把握して教師が指導を行うことで、子供たちの知・徳・体を一体で育む」教育と定義付けされています。この日本型学校教育のよさを受け継いでさらに発展させ、「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」を目指すものが「令和の日本型学校教育」です。

◎ワンポイント解説◎「支える」「支持する」/「指導する」「援助する」の使い分け
『生徒指導提要』の中では、「支える」「支持する」、あるいは「指導する」「援助する」といった言葉は、意図をもって使い分けがされています。
すなわち、児童生徒に対して、①特定の課題を想定しない場合は「支える」または「支持する」、②特定の課題を想定した指導や援助の場合は「指導する」「援助する」または「指導・援助」、③上記の①②を包括的に示す場合は「支援する」と表記する、としています。
論作文や面接で生徒指導について触れる場合には、これらの使い分けを意識して用いましょう。

◎ワンポイント解説◎「自己存在感」「自己肯定感」「自己有用感」とは
『生徒指導提要』では、以下のように定義付けしています。
自己存在感=「自分も一人の人間として大切にされている」という感情
自己肯定感=ありのままの自分を肯定的に捉えること
自己有用感=他者のために役に役立った、認められたという感情
国立教育政策研究所の生徒指導・進路指導研究センター発行『生徒指導リーフLeaf.18「自尊感情」? それとも、「自己有用感」?』では、「自己存在感」「自己肯定感」「自己効力感」は、「自尊感情」とほぼ同じ意味合いで用いられており、自己に対して肯定的な評価を抱いている状態を指す、としています。
一方、「自己有用感」は、他人の役に立った、他人に喜んでもらえたなど、相手の存在なしには生まれてこない点で、「自尊感情」や「自己効力感」とは異なります。日本では、「褒めて(自信を持たせて) 育てる」(=自尊感情や自己効力感)という発想よりも、「認められて(自信を持って) 育つ」(=自己有用感)という発想の方が、子供たちの自信が持続しやすい、とされています。

◎ワンポイント解説◎ 学習指導要領「総則」の中の生徒指導
上記では「『主体的・対話的で深い学び』の実現に向けた授業改善」と関連して学習指導要領に触れていますが、例えば小学校学習指導要領「総則」の中で、生徒指導については「第4 児童の発達の支援」「1 児童の発達の支援の充実」の(2)で言及しています(他校種も同様)。必ずチェックしておきましょう。
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