ここでは「教育DX」や「学校のICT化」について、POINT①~⑥で学んだ内容を踏まえ、過去に出題された試験問題で腕試しをしていただきます(※本誌掲載の問題より一部を抜粋)。
問題❶ 岡山市 2023年実施試験(一部改題)
次の文は、リーフレット「GIGAスクール構想の実現へ」(文部科学省)に記載されている「GIGAスクール構想」についての説明の一部である。( )に入る適語の正しい組み合わせを選べ。
( ① )と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に( ② )され、( ③ )が一層確実に育成できる教育( ④ )環境を実現する。
⑴ ①1人1台端末 ②個別最適化 ③資質・能力 ④ICT
⑵ ①1人1台端末 ②完全習得 ③資質・能力 ④DX
⑶ ①電子黒板 ②完全習得 ③確かな学力 ④DX
⑷ ①電子黒板 ②個別最適化 ③確かな学力 ④ICT
⑸ ①1人1台端末 ②個別最適化 ③資質・能力 ④DX
問題❷ 埼玉県・さいたま市 2022年実施試験(一部改題)
次の文は、文部科学大臣メッセージ「子供たち一人ひとりに個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現に向けて」(2019年12月)の一部である。( )に入る適語の正しい組み合わせを選べ。
この新たな教育の技術革新は、多様な子供たちを誰一人( ① )ことのない公正に個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与するものであり、特別な支援が必要な子供たちの可能性も大きく広げるものです。
また、1人1台端末の整備と併せて、統合型校務支援システムをはじめとしたICTの導入・運用を加速していくことで、授業準備や成績処理等の負担軽減にも資するものであり、学校における働き方改革にもつなげていきます。
忘れてはならないことは、ICT環境の整備は手段であり目的ではないということです。子供たちが変化を前向きに受け止め、豊かな創造性を備え、( ② )社会の創り手として、予測不可能な未来社会を自立的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成していくことが必要です。その際、子供たちがICTを適切・安全に使いこなすことができるよう( ③ )などの情報活用能力を育成していくことも重要です。
⑴ ①落ちこぼれさせる ②活力ある ③ネットリテラシー
⑵ ①落ちこぼれさせる ②持続可能な ③プログラミング的思考
⑶ ①取り残す ②持続可能な ③ネットリテラシー
⑷ ①取り残す ②活力ある ③プログラミング的思考
問題❸ 京都市 2024年実施試験(一部改題)
次の文の( )に入る適語の正しい組み合わせを選べ。
2020年6月、文部科学省が「教育の情報化に関する手引(追補版)」を公表した。この手引において、「教育の情報化」とは、「時間的・空間的制約を超える」「双方向性を有する」「カスタマイズを容易にする」といった情報通信技術の特長を生かして、( ① )を目指すものであり、具体的には、「情報教育」、「教科指導におけるICT活用」、「( ② )」の3つの側面から構成されるものとされている。これらの教育の情報化の実現を支える基盤として、「教師のICT活用指導力等の向上」、「学校のICT環境の整備」、「( ③ )」の3点を実現することが極めて重要である、とされている。
また、今後は、各学校で情報教育の年間指導計画の中に( ④ )の項目を設定し、指導事項や指導内容を位置付けるなどの工夫が必要である、とされた。
⑴ ①学校運営の変革 ②校務の情報化 ③児童生徒の情報活用能力 ④情報モラル
⑵ ①学校運営の変革 ②情報発信におけるICT活用 ③教育情報セキュリティの確保 ④情報リテラシー
⑶ ①教育環境の向上 ②学校運営におけるICT活用 ③ ICTに精通した外部人材の確保 ④情報セキュリティ
⑷ ①教育の質の向上 ②校務の情報化 ③教育情報セキュリティの確保 ④情報モラル
⑸ ①教育の質の向上 ②情報発信におけるICT活用 ③児童生徒の情報活用能力 ④情報リテラシー
問題❹ 奈良県 2023年実施試験
文部科学省は、「学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン」(2021年3月改訂 文部科学省)において、紙の教科書と学習者用デジタル教科書の運用方法を明示している。次の各文は、そこで示された紙の教科書と学習者用デジタル教科書の制度上の取り扱いに関する取り決めである。内容として正しいものには〇を、誤っているものには×としたとき、正しい組み合わせを選べ。
① 紙の教科書は、各学校において使用しなければならない。
② 学習者用デジタル教科書は、各学校において使用しなければならない。
③ 学習者用デジタル教科書は、義務教育段階では児童生徒に対し無償で給付される。
④ 学習者用デジタル教科書は、紙の教科書の検定を経た後、さらに文部科学大臣の検定を経る必要はない。
⑴ ①× ②〇 ③〇 ④×
⑵ ①× ②× ③〇 ④〇
⑶ ①× ②〇 ③× ④〇
⑷ ①〇 ②× ③× ④〇
⑸ ①〇 ②〇 ③〇 ④×
⑹ ①〇 ②× ③× ④×
問題❺ 高知県 2024年実施試験
次の各文は、「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」(2023年7月 文部科学省)の「3.生成AIの教育利用の方向性」の「⑵生成AI活用の適否に関する暫定的な考え方」の一部である。( )に入る適語の正しい組み合わせを選べ。
〇 子供の発達の段階や実態を踏まえ、( ① )・保護者同意等の利用規約の順守を前提に、教育活動や学習評価の目的を達成する上で、生成AIの利用が( ② )か否かで判断することを基本とする(特に( ③ )に利用させることには慎重な対応を取る必要がある)。
〇 まずは、生成AIへの懸念に十分な対策が講じられる( ④ )でパイロット的に取り組むことが適当。
⑴ ①年齢制限 ②効果的 ③小学校段階の児童 ④学校
⑵ ①使用制限 ②効率的 ③小学校段階の児童 ④学級
⑶ ①使用制限 ②効果的 ③小学校段階の児童 ④学級
⑷ ①使用制限 ②効果的 ③中学校段階の生徒 ④学校
⑸ ①年齢制限 ②効率的 ③中学校段階の生徒 ④学級
(解答・解説)
問題❶:⑴
➡ 同リーフレット「GIGAスクール構想」を参照。
問題❷:⑶
➡ 同メッセージ参照。
問題❸: ⑷
➡ 「教育の情報化に関する手引(追補版)」(2020年6月)の「第1章 社会的背景の変化と教育の情報化」「第1節 社会における情報化の急速な進展と教育の情報化」「2.『教育の情報化』について」及び「第2章 情報活用能力の育成」「第4節 学校における情報モラル教育」「1.情報モラル教育の必要性」を参照。
問題❹: ⑷
➡ ②各学校で使用義務はなく、必要に応じ、紙の教科書に代えて学習者用デジタル教科書を使用できる。③学習者用デジタル教科書は無償給与されない。②・③ともに、「2.学習者用デジタル教科書の制度概要」「⑶学習者用デジタル教科書の制度化の内容」を参照。
問題❺:⑴
➡ 同ガイドライン「3.生成AIの教育利用の方向性」「⑵生成AI活用の適否に関する暫定的な考え方」を参照。
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