ポイント4 2024年実施問題にチャレンジ!

(※本誌掲載の問題より一部を抜粋。また、掲載の都合上問題の一部を改めている箇所がある)

1.次は、『生徒指導提要』(2022年12月、文部科学省)に示された生徒指導の重層的支援構造を表した図である。(  )に入る適語の正しい組み合わせを選べ。(秋田県)

⑴ ①課題未然防止教育  ②発達支持的生徒指導 ③課題早期発見対応
⑵ ①課題未然防止教育  ②課題早期発見対応  ③発達支持的生徒指導
⑶ ①発達支持的生徒指導 ②課題未然防止教育  ③課題早期発見対応
⑷ ①課題早期発見対応  ②課題未然防止教育  ③発達支持的生徒指導
⑸ ①発達支持的生徒指導 ②課題早期発見対応  ③課題未然防止教育
⑹ ①課題早期発見対応  ②発達支持的生徒指導 ③課題未然防止教育

2 .次の文は、『生徒指導提要』(2022年12月、文部科学省)の「2.2.3 教科の指導と生徒指導の一体化」の一部である。(   )に入る正しい適語を選べ。(鹿児島県)

 授業は全ての児童生徒を対象とした発達支持的生徒指導の場となります。教科の指導と生徒指導を一体化させた授業づくりは、生徒指導の実践上の視点である、自己( ① )感の感受、共感的な人間関係の育成、自己( ② )の場の提供、安全・安心な風土の醸成を意識した実践に他なりません。教員が学習指導と生徒指導の専門性を合わせもつという日本型学校教育の強みを活かした授業づくりが、児童生徒の発達を支えます。

 ア 決定  イ 存在  ウ 肯定  エ 意識  オ 評価  カ 解決

3 .次の各文は、『生徒指導提要』(2022年12月、文部科学省)に示された、発達課題の積み残しや何らかの脆弱性を抱えた児童生徒、あるいは環境的に厳しい状態にある児童生徒を早期に見つけ出す方法である。誤っているものを選べ。(新潟県・新潟市)

⑴ 児童生徒が危機のサインを表出するのを待つだけでなく、教職員が積極的に危機のサインに気付こうとする姿勢を持つこと。
⑵ 成績の急激な下降やつき合う友達の変化などに気付いた場合は、背後に何らかの問題が隠れている可能性を想定して対応すること。
⑶ 児童生徒の話を受容的かつ共感的に傾聴するため、長時間による定期面談のみを行うこと。
⑷ 児童生徒の作文や絵などは、そのときの心理状態や発達の課題などに関する有益な情報を含んでいるので、気になる作品は記録し、他の教職員などと検討すること。
⑸ 児童生徒のSOSを把握するために、観察等と組み合わせた質問紙調査を行うこと。

4 .次の文は、『生徒指導提要』(2022年12月、文部科学省)の「4.3.2 いじめの未然防止教育に関する記述」の一部である。(   )に入る正しい組み合わせを選べ。(奈良県・大和高田市)


⑵ いじめの構造から考える未然防止教育の方向性
 いじめはいじめる側といじめられる側という二者関係だけで生じるものではありません。「観衆」としてはやし立てたり面白がったりする存在や、周辺で暗黙の了解を与える「傍観者」の存在によって成り立ちます。
 いじめを防ぐには、「傍観者」の中から勇気をふるっていじめを抑止する「( ① )」や、いじめを告発する「相談者」が現れるかどうかがポイントになります。
 日本のいじめの多くが同じ学級・ホームルームの児童生徒の間で発生することを考えると、学級・ホームルーム担任が、いじめられる側を「( ② )」という意思を示し、根気強く日常の安全確保に努める取組を行うなどして担任への信頼感と学級・ホームルームへの安心感を育み、学級・ホームルーム全体にいじめを( ③ )雰囲気を浸透させることが重要です。


⑴ ①判定者  ②必ず保護する  ③許容しない  
⑵ ①判定者  ②絶対に守る   ③断罪する
⑶ ①判定者  ②必ず保護する  ③断罪する   
⑷ ①仲裁者  ②絶対に守る   ③許容しない
⑸ ①仲裁者  ②必ず保護する  ③許容しない  
⑹ ①仲裁者  ②絶対に守る   ③断罪する

5.次の各文は、『生徒指導提要』(2022年12月、文部科学省)の「8.3.1 自殺予防に関する生徒指導の重層的支援構造」の一部である。下線部について、正しいものには〇を、誤っているものには×を付けたときの組み合わせを選べ。(福岡県・福岡市・北九州市)

◯心の危機についての正しい知識と理解を持ち、困ったときに相談できる①援助希求的な態度がとれるようになれば、自分の危機の克服と友人の危機への支援が可能となり、自殺予防に限らず、生涯にわたる心の健康(メンタルヘルス)の保持につながると考えられます。
◯また、これらの教育活動を充実させていくためには、児童生徒が安心して学び、生活できる学校環境を整えることが不可欠です。自殺予防教育を進めるための「土台」として、困ったときに相談できる児童生徒と教職員との②信頼関係づくり、保健室や相談室などを気軽に利用できる場とする③雰囲気づくりなど、「安全・安心な学校環境」づくりが求められます。加えて、児童生徒の些細な言動の変化からその心理状態に気付けるように教職員の感性を高めることや教育相談体制を整備することも、自殺予防教育の「土台」となる④課題予防的生徒指導を展開する上で重要です。

⑴ ①○ ②× ③○ ④×  ⑵ ①○ ②○ ③× ④×  ⑶ ①× ②× ③○ ④○  

⑷ ①× ②○ ③× ④○

(解答・解説)

1. ⑷ 
➡「第Ⅰ部 生徒指導の基本的な進め方」「第1章 生徒指導の基礎」「1.2 生徒指導の構造」「1.2.1 2軸3類4層構造」「⑶生徒指導の4層」を参照。

2. ①-イ ②-ア 
➡「第Ⅰ部 生徒指導の基本的な進め方」「第2章 生徒指導と教育課程」「2.2 教科の指導と生徒指導」「2.2.3 教科の指導と生徒指導の一体化」を参照。

3. ⑶ 
➡「第Ⅰ部 生徒指導の基本的な進め方」「第3章 チーム学校による生徒指導体制」「3.3 教育相談体制」「3.3.2 教育相談活動の全校的展開」「⑶課題予防的教育相談:課題早期発見対応」「①早期発見の方法」を参照。正しくは「『定期相談』は、5分程度の面接であっても、継続することにより、『定期相談のときに相談できる』という安心感の形成と信頼関係の構築に効果的に作用します」と示されている。なお、『生徒指導提要』では「定期面談」ではなく「定期相談」と表記されている。

4. ⑷ 
➡「第Ⅱ部 個別の課題に対する生徒指導」「第4章 いじめ」「4.3 いじめに関する生徒指導の重層的支援構造」「4.3.2 いじめの未然防止教育」「⑵いじめの構造から考える未然防止教育の方向性」を参照。

5. ⑵ 
➡「第Ⅱ部 個別の課題に対する生徒指導」「第8章 自殺」「8.3 自殺予防に関する生徒指導の重層的支援構造」「8.3.1 自殺予防につながる発達支持的生徒指導」「⑵自殺予防教育の土台となる発達支持的生徒指導の取組」を参照。③「雰囲気」ではなく「居場所」。④「課題予防的」ではなく「発達支持的」。


もっと詳しく知りたい方は『月刊 教員養成セミナー』2025年4月号をcheck✔

4月号の誌面では、『生徒指導提要』攻略のためのポイントをたっぷりと紹介。実際に出題された問題にチャレンジしたら、もう一度記事に戻って復習してみるのもいいかも知れません。ぜひご覧ください。