攻略ガイド2:教採ってどのくらい難しい?

最近の教採は「合格しやすい」との噂も聞きますが、果たしてそうなのでしょうか。全国的な倍率などデータを細かく見ていくと、そうとは言えない部分も見えてきます。
下図の棒グラフは受験者数と採用者数、折れ線グラフは採用倍率を表しています(文部科学省調べ)。このデータでは最も新しい2024(令和6)年度(2023年実施)の採用倍率は3.2倍と、過去最低を記録しました。その意味では確かに、以前よりも合格しやすい状況はあります。とはいえ、校種別に見ると、小学校は2.2倍ですが、中学校は4.0倍、高校は4.3倍と、4~5人に1人しか合格できない状況です。油断せずに、しっかり対策していきたいところです。

受験者数・採用者数・採用倍率の推移(全校種総計)

自治体別の採用倍率

小学校

小学校の全国平均倍率は2.2倍ですが、自治体によって差があります。最も高い倍率は鳥取県の7.5倍で、高知県が5.3倍で続いており、受験自治体によってはかなりの高倍率を突破しなければなりません。ただ、受験日程の早い自治体は、いわゆる「お試し受験」で併願をしている人も多いので、その点も考慮する必要があります。

中学校

中学校の全国平均倍率は4.0倍ですが、やはり自治体によって差があります。最も高いのは、小学校同様に鳥取県で、実に11.0倍にも上っています。また、中学校は教科によっても倍率が異なり、倍率が低い自治体でも、社会科や保健体育科などは高倍率というケースがあるので注意が必要です。

採用者に占める新卒者・既卒者の割合

採用者に占める新卒者と既卒者の割合を示したのが以下のグラフです。小学校は新卒者の方が若干多いですが、中学校や高校、特別支援学校、養護教諭、栄養教諭は既卒者が多く、いわゆる「経験者有利」なことが分かります。こうして見ても、大学4年生が一発で合格を勝ち取るのは、決して容易ではありません。

採用者数の学歴(出身大学等)別の内訳

採用者を学歴別に見ると、どの校種でも「一般大学・学部」の割合が6~7割に上っています。グラフにはありませんが、首都圏や近畿圏には教員免許が取得できる私立大学が数多くあり、そこを卒業した人たちが数多く採用されている状況があります。


「教採」のことを詳しく知るなら『KYOUSEMI』2025年9月号をcheck✔

新しい『KYOUSEMI』の最初の特集は、2026年実施試験に向けての「教採」攻略法! 教採って何? 対策はどうすればよい? などなど、これから教採の勉強を始めるみなさんが知りたいこと、必ず知っておいてほしいことをギュッと詰めた「教採」攻略のための完全ガイドです。また、気になる教採「共同実施」についても、文科省の方に現在の状況を伺いました。ぜひお手にとってご覧ください。