教採では、どのような内容が問われるのでしょうか。細かくは自治体によって異なりますが、ここでは大まかなアウトラインについて解説していきます。ここでは「筆記試験」と「論作文試験」に続いて「面接試験」「実技試験」「適性検査」を取り上げます。
その③ 面接試験
実施時期は大半が2次試験だが、1次試験で実施する自治体も
面接試験は、多くの自治体が2次試験で実施していますが、一部では1次試験で実施する自治体もあります。また、1次・2次の2回にわたり、面接試験を実施する自治体もあります。面接試験の種類には、個人面接、集団面接、模擬授業、集団討論、場面指導などがあり、自治体によって面接形式は異なります。ちなみに、面接試験を実施しない自治体はありません。それだけ、人物試験は重要性が増してきているといえます。

A 個人面接・集団面接
面接官との質疑応答形式
「個人面接」と「集団面接」は、どちらも面接官の質問に答えるという点で同じですが、個人面接は単独で行われ、細かく深く聞かれる傾向があります。一方、集団面接の場合は、同じ質問に複数の受験者が答えることもあります。そのため、答えようと思っていたことを先に言われてしまうこともあるので、臨機応変に対応することが求められます。また、他の受験者と「比較」されやすい傾向にあります。

質問内容は、基本的に学校教育に関すること
質問内容は、基本的に学校教育に関することです。質問の多くは受験者の人間性や教育観に関するものですが、一部の自治体では法的な知識等が問われることもあります。

B 模擬授業
受験者1人につき10~15分程度の授業を行い、その内容等を評価する試験です。10~15分1コマの授業を行うというのではなく、45~50分1コマの授業の冒頭や展開など一部分を行います。授業を行う教科・単元は、事前に示される自治体もあれば、当日示される自治体もあります。当日示される場合は、10~30分程度、構想の時間が与えられます。

C 集団討論
複数人の受験者が、提示されたテーマについて討論を行い、そこでの発言内容等を評価する試験です。人数は概ね5~8人程度ですが、時間は20~50分と自治体によって差があります。討論のテーマは基本的に学校教育に関することですが、まれに学校教育に限らない抽象的なテーマを出す自治体もあります。

D 場面指導
学校教育における特定の場面を提示し、そのときの対応内容等を評価する試験です。対応を言葉で回答する「口頭試問型」と実演する「ロールプレイ型」があります。「口頭試問型」は、個人面接や集団面接の中で行われます。「ロールプレイ型」では、数分間にわたる実演が求められ、面接官が子ども役となって何かを言ってきたりすることもあります。

その④ 実技試験
教科等の指導に必要な実技を実際に行い、その技能を評価する試験です。主に中学校と高校の英語や音楽、体育、美術など実技系の教科で行われますが、小学校でも一部の自治体で、体育や音楽、英語などに関わる実技試験が行われています。2次試験で実施する自治体が多いですが、1次試験で実施する自治体もあります。

その⑤ 適性検査
民間企業の採用選考でも活用されている検査で、受験者の性格特性や情緒安定性、意欲などが測定されます。基本的に、適性検査の結果が点数化されることはないと言われていますが、最近は横浜市が「春チャレンジ選考試験」で合否に活用するなどの動きもあります。受験自治体がどんな検査を実施しているのかは最低限、押さえておく必要があります。

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