PART 3 過去問・予想問題演習

特集の内容を踏まえ、現行の学習指導要領の過去問と次期学習指導要領の予想問題にチャレンジしてみましょう。
(※本誌掲載の問題より一部を抜粋。また、掲載の都合上問題の一部を改めている箇所がある)

現行学習指導要領の過去問①(長崎県・2024年実施問題)

1. 次の文は、小学校学習指導要領の「第1章 総則」「第1 小学校教育の基本と教育課程の役割」の一部である。(   )に入る適語の正しい組み合わせを選べ。

 各学校においては、児童や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等( ① )な視点で組み立てていくこと、教育課程の実施状況を( ② )してその改善を図っていくこと、教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して、教育課程に基づき( ③ )かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。

⑴ ①横断的 ②評価 ③合理的
⑵ ①多角的 ②把握 ③組織的
⑶ ①多角的 ②把握 ③合理的
⑷ ①横断的 ②評価 ③組織的

現行学習指導要領の過去問②(宮崎県・2024年実施問題)

2. 次の文は、中学校学習指導要領の「第1章 総則」「第4 生徒の発達の支援」「2 特別な配慮を必要とする生徒への指導」の一部である。(   )に入る適語をそれぞれ選べ。

 障害のある生徒に対して、通級による指導を行い、特別の教育課程を編成する場合には、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す( ① )の内容を参考とし、具体的な目標や内容を定め、指導を行うものとする。その際、効果的な指導が行われるよう、各教科等と通級による指導との関連を図るなど、( ② )の連携に努めるものとする。

 ① ア 個別の指導計画  イ 独自の教育課程  ウ 実態に応じた教育課程
   エ グループ学習  オ 自立活動
 ② ア 特別支援学校と  イ 保護者と  ウ 特別支援教育コーディネーターと  

   エ 教師間  オ 医療機関と

現行学習指導要領の過去問③(奈良県・2024年実施問題)

3. 平成29年(小学校、中学校、特別支援学校小学部・中学部)、平成30年(高等学校)、平成31年(特別支援学校高等部)にそれぞれ改訂された学習指導要領では、子どもたちに育成すべき資質・能力として、以下の3つの柱が示されている。3つの柱を説明した文の(   )に入る適語の正しい組み合わせを選べ。

 ● 学んだことを人生や社会に生かそうとする( ① )、人間性など
 ● 実際の社会や生活で生きて働く知識及び( ② )
 ● 未知の状況にも対応できる思考力、判断力、( ③ )など

  ⑴ ①学びに向かう力 ②技能 ③実践力
  ⑵ ①学びに向かう力 ②技術 ③表現力
  ⑶ ①学びに向かう力 ②技能 ③表現力
  ⑷ ①生きる力    ②技術 ③実践力
  ⑸ ①生きる力    ②技能 ③実践力
  ⑹ ①生きる力    ②技術 ③表現力

現行学習指導要領の過去問④(熊本市・2024年実施問題(一部改題))

4. 次の各文は、これまでの学習指導要領の変遷について、文部科学省が示したものである。告示された年代順に正しく並べられているものを選べ。

 ① ゆとりある充実した学校生活の実現=学習負担の適正化
 ② 「生きる力」の育成、基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成のバランス(小学校「外国語活動」の導入)
 ③ 社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成(「生活科」の新設)
 ④ 基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」の育成(「総合的な学習の時間」の新設)
 ⑤ 「生きる力」の育成を目指し資質・能力を3つの柱で整理、社会に開かれた教育課程の実現

  ⑴ ①→②→④→⑤→③  ⑵ ②→①→⑤→③→④  ⑶ ②→④→①→③→⑤
  ⑷ ①→③→④→②→⑤  ⑸ ②→①→③→⑤→④

次期学習指導要領の予想問題①

5. 次の文は、「今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会 論点整理」(2024年9月 文部科学省)の一部である。(   )に入る適語の正しい組み合わせを選べ。

○人口減少・少子高齢化や地球環境の有限性を踏まえた( ① )社会づくり
● 一人一人が可能性を開花させなければ国が立ち行かない状況
● 資源や環境の有限性を踏まえつつ、環境・福祉と経済を両立していく必要性
● ( ② )存続が現実問題となる中、地域におけるヒト・モノ・カネの循環や( ③ )の向上も喫緊の課題であり、( ④ )を持った社会の創り手を育てる必要性

 ⑴ ①高度成長な ②国家     ③幸福・福祉(well-being) ④当事者意識
 ⑵ ①持続可能な ②コミュニティ ③幸福・福祉(well-being) ④当事者意識
 ⑶ ①持続可能な ②国家     ③多様性(ダイバーシティ) ④論理的思考力
 ⑷ ①高度成長な ②コミュニティ ③多様性(ダイバーシティ) ④論理的思考力

次期学習指導要領の予想問題②

6. 次の各文は、「今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会 論点整理」(2024年9月 文部科学省)について述べたものである。誤っているものを選べ。

⑴ 生成AIが加速度的に発展する中では、AIやデータを十全に使いこなす力、豊かな人間性、課題を発見したり設定したりする力などが重要になってくる。
⑵ 現行学習指導要領が掲げる全文や総則のコンセプトは時代にそぐわなくなっていることから、学力観を「内容」中心から「資質・能力」を基盤としたものへと拡張する必要がある。
⑶ 教育課程の実施に伴う負担への指摘に真摯に向き合う必要性はあるが、その負担感がどのような構造により生じているのか精緻に議論すべきである。
⑷ 児童生徒の発達の支援の観点から「個に応じた指導」は重要視され、学習者自身が主体的に学習を調整していくことが求められている。
⑸ 学校の教育課程編成の柔軟性の視点からは、現行の教育課程の特例制度(教育課程特例校、授業時数特例校、小中一貫、中高一貫など)をより活用しやすくする。

(解答・解説)

1. ⑷ 
➡小学校学習指導要領「第1章 総則」「第1 小学校教育の基本と教育課程の役割」4を参照。

2. ①-オ ②-エ 
➡中学校学習指導要領「第1章 総則」「第4 生徒の発達の支援」「2 特別な配慮を必要とする生徒への指導」「⑴ 障害のある生徒などへの指導」を参照。

3. ⑶ 
➡文部科学省リーフレット「生きる力 学びの、その先へ」を参照。

4. ⑷ 
➡①昭和52~53年改訂、②平成20~21年改訂、③平成元年改訂、④平成10~11年改訂、⑤平成29~30年改訂。「学習指導要領の変遷」(文部科学省)を参照。

5. ⑵ 
➡同資料「1.これからの社会像とこれまでの学習指導要領の趣旨の実現状況」「⑴これからの社会像」を参照。

6. ⑵ 
➡⑵「学力観を『内容』中心から『資質・能力』を基盤としたものへと拡張」は、現行学習指導要領が掲げる方向性。同資料「1.これからの社会像とこれまでの学習指導要領の趣旨の実現状況」「⑵現行学習指導要領の目指したものとその趣旨の実現状況」を参照。


もっと問題に触れたい方は『月刊 教員養成セミナー』2025年3月号をcheck✔

3月号の誌面では、このページに掲載した以外にも全国で実際に出題された学習指導要領についての問題や、次期学習指導要領についての予想問題を掲載しています。ぜひお手にとってご覧ください。