TOPIC 3 不登校全般

教育原理 教育時事出題頻度:★★★★★ 話題性:★★★★☆ 難易度:★★★☆☆

要点1:不登校の定義

不登校の定義は、教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)第2条第三号に、下のように示されています。

試験でよく問われるのは「文部科学大臣が定める状況」の部分です。下線部の「心理的」「情緒的」「身体的」「社会的」の部分は特に問われるので、用語を暗記しておきましょう。また、文部科学省の調査では、「30日以上」を不登校として統計を取っていますので、こちらも覚えておきましょう。

要点2:「不登校」対応の基本方針

以前、不登校対応は「学校に登校させること」を目標に進められていましたが、最近では方針が変わってきています。一つの転機となったのは、教育機会確保法の制定で、子どもの「社会的自立」を目標に、登校させることのみを目的として進められることはなくなりました。その点について特に試験でよく問われるのは、文部科学省の通知の冒頭部分(下枠参照)です。下線部は特に重要なので、確認しておいてください。

文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(2019年10月)より

 不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること。また、児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること。

要点3:教育機会確保法と「COCOLOプラン」

不登校に関連する教育法規・時事の中で、よく問われるのが教育機会確保法と「COCOLOプラン」です。
教育機会確保法については、定義(第2条)のほか、基本理念(第3条)や基本指針(第7条)などをチェックしておきましょう。
COCOLOプラン」には、不登校児童生徒の学びの場として、校内教育支援センターや学びの多様化学校、教育支援センター、フリースクールなどが下の図のように示されているので、この部分を重点的に押さえておきましょう。

予想問題
 次の各文は、文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(2019年10月)の内容について述べたものである。誤っているものを選べ。

⑴ 不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が社会的に自立することを目指す必要がある。

⑵ 児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある。

⑶ 不登校児童生徒への支援は児童生徒が不登校となった要因を的確に把握し、個々の児童生徒に応じてきめ細やかに支援することが求められる。

⑷ 不登校児童生徒への支援は、必要に応じて児童相談所や福祉事務所などとも連携しながら行うことが求められる。

⑸ 不登校児童生徒への支援は、学校関係者が中心となって「児童生徒理解・支援シート」を作成することが望ましい。

(解答・解説)

⑷ ➡⑷不登校児童生徒の支援において連携が求められる外部機関は、教育支援センター、学びの多様化学校、フリースクールなど。児童相談所や福祉事務所との連携が必要なのは、児童虐待対応においてである。同通知「1 不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方」を参照。

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