教採の制度は年々変化しています。それは、質の高い人材の確保を目的として、受験者の増加をはかろうとしているためです。
受験者の増加をはかるため、大きく2つの策が実施されています。それが、①教採の早期化、②教採の複数回実施です。
つまり、①によって教採の受験日が早まり、これまでよりも早くに内定がもらえるように、②によって受験できる回数が増えることになるのです。
この変化を正しく理解した上で受験スケジュールを組み、対策していけば、変革前よりも圧倒的に有利に教採に臨むことができます。まずは変化の理解に努めましょう。
②教採の複数回実施
教採を受験できる回数が増加
教採の複数回実施とは、各自治体が試験の実施回数を増やすことを指します。
これまで、教採は年1回(春~夏)のみの実施で、大学生は4年次にしか受験できませんでした。しかし、近年秋や冬にも試験を実施したり、3年次にも受験可能としたりすることにより、試験の実施回数が増えてきています。
受験者側から考えると、大学生の間に受験できる回数も、1年間に受験できる回数も増加しているということです。具体的にどのように試験の回数が増えているのか正しく理解し、受験のチャンスを逃さないようにしましょう。
新たに3つの試験が登場
具体的には、ⓐ3年次夏季受験、ⓑ3年次冬季受験、ⓒ4年次秋季受験の3つが増えました。従来の大学4年次にのみ受けることができた試験(=4年次夏季受験)も同様に実施されるため、大学3・4年生の間に最大で4回試験を受けることができます。
ただし、新たに登場した3つの試験は、4年次夏季受験とは、受験の対象者や試験内容が異なることがあります。
各試験の特徴をまとめた次の図を見て、しっかり把握しておきましょう。
どの試験を実施するかは自治体によって異なる
教採の複数回実施についても、試験日と同様に、文部科学省が一律に決めるのではなく、各自治体が決定します。4年次夏季受験は基本の試験として全自治体が実施しますが、上記ⓐ~ⓒの試験の実施の有無は、自治体により異なるため注意が必要です。
ただし、3つのうちⓐ3年次夏季受験は、導入後2年目である2024年夏の試験で40もの自治体が実施しており(前年は8自治体のみ)、今後も増加することが予想されます。
一方、ⓑ3年次冬季受験、ⓒ4年次秋季受験を実施する自治体は、それぞれ10以下とまだまだ少ない状況にあります。
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