
教育時事 出題頻度:★★★★☆ 話題性:★★★★★ 難易度:★★★★☆
要点1:「大臣諮問」とは
「諮問」とは「意見を尋ね求めること」を意味する言葉です。学習指導要領の改訂は下の図のような流れで行われ、その最初のステップが「大臣諮問」で、文部科学大臣から中央教育審議会に向けて行われます。その後、中央教育審議会で約2年をかけて審議を行い、「答申」として審議結果を示します。その内容を踏まえ、文部科学大臣により、学習指導要領が「告示」として公示されます。

要点2:「大臣諮問」の概要と押さえるべきキーワード
今回の大臣諮問は、現行学習指導要領の浸透が道半ばであるとして、「分かりやすく使いやすい学習指導要領」にすることの必要性に言及しています。また、日本社会が多様化する中で、さまざまな子供たちを包摂する柔軟な教育課程の必要性を指摘しています。
各教科等やその目標・内容については、情報活用能力の抜本的向上の必要性に触れています。
一方で、学校の多忙化が著しい状況を踏まえ、標準総授業時数を現状より増やさないことを前提に検討することの必要性に言及しています。

要点3:「論点整理」の押さえるべきキーワード
大臣諮問に先立ち、文部科学省の「今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会」が、2024年9月に「論点整理」を示しました。こちらからも出題される可能性があるので、次の主要なキーワードを中心に押さえておきましょう。

予想問題
次の各文は、中央教育審議会「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)」(2024年12月)の諮問事項である。下線部について、正しいものには〇を、誤っているものには×を付けたとき、正しい組み合わせを選べ。
⑴ より質の高い、深い学びを実現し、資質・能力の育成につながると同時に、分かりやすく、使いやすい学習指導要領の在り方
⑵ 多様な個性や特性、背景を有する子供たちを包摂する柔軟な生徒指導の在り方
⑶ これからの時代に育成すべき資質・能力を踏まえた、各教科等やその目標・内容の在り方
⑷ 学校行事の実施に伴う負担への指摘に真摯に向き合うことを含む、学習指導要領の趣旨の着実な実現のための方策
① ⑴〇 ⑵╳ ⑶╳ ⑷〇 ② ⑴〇 ⑵╳ ⑶〇 ⑷╳ ③ ⑴╳ ⑵〇 ⑶╳ ⑷〇
④ ⑴╳ ⑵〇 ⑶〇 ⑷╳ ⑤ ⑴〇 ⑵〇 ⑶╳ ⑷╳
(解答・解説)
② ➡⑵「柔軟な生徒指導」ではなく「柔軟な教育課程」。⑷「学校行事の実施に伴う負担」ではなく「教育課程の実施に伴う負担」。同諮問「(理由)」を参照。
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