最新教育キーワード解説 「身体的虐待」「心理的虐待」「ネグレクト」「性的虐待」

教員採用試験で登場する可能性のある、重要な最新教育キーワードを解説します。言葉の意味をしっかり把握して理解を深めましょう。毎週火曜・木曜に更新します。


【身体的虐待】

児童の身体に外傷が生じ,又は生じるおそれのある暴行を加えること。家の外へ追い出す,殴る蹴るなどの暴行を与える,やけどを負わせる,縄などで拘束するなど,身体に危害を加える虐待を指す。

【心理的虐待】

児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。言葉による脅しや虫など,保護者が子どもに心理的な傷を与える虐待を指す。子どもの目の前で配偶者や家族に暴力をふるう「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」や,きょうだい間で差別的な扱いをすることなども含む。

【ネグレクト】

保護者としての監護を著しく怠ること。食事を与えない,清潔を保たない,病気やケガの際に治療を受けさせない,など,児童の心身の正常な発達を妨げるような放任や不適切な育児を指す。

【性的虐待】

児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。直接的な行為だけが該当するのではなく,児童の裸の写真の撮影・販売や,児童が誰かと性行為をするよう強要することも虐待にあたる。子どもが性的被害にあっていることを知りながら放置した場合,ネグレクトにあたる。

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こども家庭庁が9月7日に発表したデータによると,全国の児童相談所(児相)が2022年度に対応した虐待相談件数の速報値は,前年度より1万1510件増えて21万9170件で,32年連続で最多を更新しました。対応件数の多い順に見ると,心理的虐待→身体的虐待→ネグレクト→性的虐待となっています。