各自治体最新の出題内容や傾向を踏まえて、2025年実施試験に向けてどんな対策をすべきなのか、分野別に解説していきます。教採の出題範囲は膨大です。各分野の攻略ポイントをきちんと理解した上で対策を始めていきましょう。
2025年 教育時事の攻略ポイント
2024年の試験では、2023年6月に閣議決定された「第4期教育振興基本計画」からの出題が多く見られました。これは、2025年実施試験でも多数自治体での出題が予想されます。必ず対策をして、得点につなげていきましょう。
攻略ポイント1 「令和答申」は対策必須
2025年の試験に向けても必ず押さえておかないといけない資料が、中央教育審議会「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」(2021年1月)です。特に「第Ⅰ部 総論」と「はじめに」からの出題が多く見られます。「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び」など、今後の日本の教育の方向性を示しているキーワードもしっかり覚えておくようにしましょう。90ページを超える長い資料ですが、「概要」も公表されています。少なくとも、概要にはしっかり目を通しておきましょう。
なお、「令和答申」では日本型学校教育の成果や課題も書かれています。これを知っているか知らないかで、面接や論作文で他の受験者と大きく差が開きます。筆記試験の対策としてだけでなく、面接や論作文の対策としても、本答申は必ず押さえておきたい資料です。
[日本型学校教育の成果と課題(一部抜粋)]
● 学校が学習指導のみならず、生徒指導の面でも主要な役割を担い、児童生徒の状況を総合的に把握して教師が指導を行うことで、子供たちの知・徳・体を一体で育む「日本型学校教育」は、諸外国から高い評価。
● 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、全国的に学校の臨時休業措置が取られたことにより再認識された学校の役割。
① 学習機会と学力の保障
② 全人的な発達・成長の保障
③ 身体的、精神的な健康の保障(安全・安心につながることができる居場所・セーフティネット)
● 本来であれば家庭や地域でなすべきことまでが学校に委ねられることになり、結果として学校及び教師が担うべき業務の範囲が拡大され、その負担が増大。
● 子供たちの多様化(特別支援教育を受ける児童生徒や外国人児童生徒等の増加、貧困、いじめの重大事態や不登校児童生徒数の増加等)。
攻略ポイント2 新たな教育振興基本計画を押さえる!
2024年実施試験で出題が多く見られたのが、2023年6月に閣議決定された「第4期教育振興基本計画」です。教育振興基本計画とは、政府がつくる今後5年間の教育に関する総合計画です。「ウェルビーイング」や「教育DX」、「VUCA」等の最新教育用語や、教育振興基本計画の2つのコンセプト、今後の教育政策に関する5つの基本的な方針等を押さえておきましょう。
攻略ポイント3 出題資料が出された「時期」に着目!
教育時事の傾向を探る際には、出題された資料等の公表された「時期」にも注意する必要があります。試験本番直前期に公表された資料等から出題している自治体もあります。受験する自治体で、そうした最新の資料からの出題が見られる場合には、文部科学省や受験自治体のHP等を直前期までチェックしていく必要があります。
教育時事の試験問題は『教員養成セミナー』1月臨時増刊号でcheck✔
分野別の攻略法が分かったら、教員養成セミナー1月臨時増刊号「全自治体 教員採用試験 完全データ集」に掲載されている最新の試験問題(2024年実施試験)にチャレンジしてみましょう!イマの実力試しとして、ぜひ挑戦してみてください。