解説!「合格願書」作成上の注意点

面接での質疑応答をスムーズに進められる「合格願書」はどのように作成すればよいのでしょうか。まずは、作成する際に気を付けるべきいくつかのポイントを解説していきます。

受験申込の段階で提出する願書は、それ自体が評価されるわけではありません。提出された願書は、そのまま保管された後、主に2次試験で実施される面接で活用されます。面接官は願書の記載内容も参考にしながら、質問をしていくのです。そのため、願書は必ず提出前にコピーを取り、面接に臨む前には一通り目を通して、どんなことを聞かれそうかをシミュレーションしておくことが大事です。
なお、自治体によっては1次試験の合格者に「面接表」を記入・提出させ、それを使って面接を行うところもあります。

面接試験では第一印象がとても重要で、その後の質疑応答を左右します。それは受験者の所作や態度、表情だけでなく、願書についても言えます。手書きの場合、丁寧な字で分かりやすく書かれていれば、面接官は好印象をもって質疑応答に入っていけます。逆に、字が雑だったり、ありきたりのことしか書かれていなかったりすると、面接官はネガティブな印象をもって質疑応答に入ってしまいます。試験は願書の作成段階から始まっていると考えましょう。

面接官は、願書や面接シートを見ながら面接を進めていきます。つまり、記入内容を一工夫すれば、面接官の質問を誘導できる可能性があるのです。
例えば、願書の自己PR欄に「不登校生徒への支援活動で培った知識とスキルを生かし……」とややあいまいに記載しておけば、面接官は「具体的にどんな支援を行ったのですか?」と質問をしてくる可能性があります。こうして「質問トラップ」を仕掛けておくことで、実際にその質問がなされたときに「待ってました!」とばかりに用意しておいた回答を述べることができるのです。

「質問トラップ」になりそうな記載項目

教育関係のボランティア活動 / 大学での研究内容 / 学校教育に活かせそうなアルバイト / 教育実習で体験したこと / 海外留学でのエピソード / 小中高時代の経験や恩師とのエピソード

NG 1 記述内容が逸脱している

願書の仕様は自治体によって異なります。志望動機で、「本県の教員を目指した理由」を聞いているのに、自治体のことに何ら触れていなければ、面接官は残念な印象を抱きます。自己PRを記載すべき欄に、志望動機的な内容が書かれているような場合も同様です。

NG 2 誠実さや情熱が感じられない

どの自治体も、「誠実さ」と「情熱」を併せ持った人を求めています。そのため、自己PRに自身の長所や実績だけが並んでいたら、面接官は少し傲慢な印象を抱きます。長所や実績は、必ず「学校教育にどう活かしていきたいか」を記載し、教職への熱い思いを面接官に伝えるようにしましょう。

NG 3 NGワードが入っている

論作文試験にも言えることですが、一般の人が当たり前に使う言葉であっても、教育関係者が聞くと悪印象を抱く言葉があります。具体的に下の表のような言葉があります。子どもや保護者へのリスペクトが感じられない言葉は、願書や面接中の質疑応答ではなるべく使わないようにしましょう。


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