現在の学校では、「発達障害」を含め、特別な支援を要する児童生徒への対応が大きな課題となっています。そのため、教採でもよく出題されます。
2025年に出題した自治体北海道・札幌市、埼玉県、東京都、静岡県、京都府、大阪府、神戸市、奈良県、和歌山県、岡山県、鳥取県、山口県、大分県など
重要ワードインクルーシブ教育システム/共生社会/合理的配慮/発達障害/通級指導/校内委員会/特別支援教育コーディネーター/ギフテッド

特別支援教育とは
特別支援教育とは、文字通り「特別な支援」が必要な子どもに向けて行う「教育」のことです。特別支援学校・特別支援学級だけでなく、通常学級にも発達障害をはじめ支援を必要とする児童生徒はいるので、校種を問わず理解を深めておく必要があります。

発達障害とは
2022年度に文部科学省が実施した調査によると、「学習面又は行動面で著しい困難を示す」子どもの割合は、小・中学校で全体の8.8%にも上ります。35人学級に換算すると、平均で3人程度は在籍している計算で、前回(2012年)調査より2.3%も増加しました。

増え続ける特別支援教育へのニーズ
特別支援教育の対象となる児童生徒の数は、過去30年以上にわたって増え続けてきました。特に通級指導を受けている児童生徒の数は、過去14年で約4倍にも増加しています。背景には発達障害への対応があると言われています。

インクルーシブ教育システム
日本では、特別支援学校・学級の在籍者や通級指導の増加が顕著ですが、世界的には「障害者の権利に関する条約」に基づき、障害の有無にかかわらず、すべての児童生徒が共に学ぶことが潮流となっています。そうした教育の在り方を「インクルーシブ教育システム」と言い、日本でも中央教育審議会が2012年に「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」を出すなど、推進が求められています。

その他の重要用語
合理的配慮
障害のある子どもが、他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことを指します。ただし、設置者や学校に「過度の負担は課さないもの」とされています。

校内委員会
学校全体の実態を把握し、対応策を検討するために、校長や教頭、特別支援教育コーディネーター、生徒指導主任、栄養教諭などによって構成される校内組織です。この委員会で、個別の教育支援計画や個別の指導計画などが作成されます。

ギフテッド
特定分野に特異な才能のある児童生徒のことです。学級の中で浮いてしまうことも多く、近年ではそうした子どもへの支援・配慮なども求められています。


次の文は、「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告」(2023年3月 文部科学省)の一部である。( )に入る適語の正しい組み合わせを選べ。(北海道・一部改題)
2.特別支援教育に関する校内支援体制の充実
〇 全ての教師が、障害のある児童生徒を含め多様な児童生徒が通常の学級に在籍していることを前提として、全ての児童生徒に対し、高い学習成果が得られるようわかりやすい授業づくりを進め、通常の学級において( ① )学ぶことができるよう、多様性を尊重した学級経営が求められる。その上で、通常の学級担任等が、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒一人一人の実態を適切に把握し、集団における授業の工夫や( ② )の提供を行うことが重要となる。あわせて、校長は特別支援教育を学校運営の柱の一つとして捉え、自らも特別支援教育や障害に関する理解や認識を深めるとともに、自身のリーダーシップを発揮して、特別支援教育コーディネーター、特別支援学級担任、通級による指導の担当教師等を中心とする校内の支援体制を構築し、通常の学級担任等を支えることができるよう、校内支援体制の更なる充実を図ることが必要である。
⑴ ①安全・安心に ②合理的配慮
⑵ ①安全・安心に ②学習機会
⑶ ①基礎・基本を ②合理的配慮
⑷ ①基礎・基本を ②学習機会
(解答・解説)⑴ ➡同報告「2. 特別支援教育に関する校内支援体制の充実」を参照。
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※2025年の実施問題例は、10月号の誌面にはもう1問掲載しています。