教育心理はココをチェック! 〜教育心理の出てるとこ

グラフ解析

①教育心理は「発達」、「学習」、「教育評価」の3領域で出題の約7割を占める。主要人物と業績などは暗記しておきたい。

ポイント◆1・2 5大領域は満遍なく! 「重要人物」も要チェック
教育史と同様に、教育心理も出題される・出題されないがハッキリする分野で、千葉県、長野県など8自治体ではここ5年間で出題されていません。
出題がある時代に集中する教育史との違いは、「発達」「学習」「性格と適応」「カウンセリングと心理療法」「教育評価」の5大領域から満遍なく出題されること。中でも「発達」「学習」「教育評価」が約7割を占めます。
なお、「人物由来」の出題が多いのは教育史と同じです。重要人物とその業績(行った実験、それにより導き出された理論など)は一覧表にしておくと便利です。

※「出るとこグラフ」と「出題頻度表」は、ただいま発売中の『教員養成セミナー』2月号に掲載しています。


Challenge! 2024年実施試験|教育心理

(※本誌掲載の問題より一部を抜粋。また、掲載の都合上問題の一部を改めている箇所がある)

【発達理論】
問題1.次の各文は、発達理論を提唱した人物とその理論に関する記述である。(   )に入る人物の正しい組み合わせを選べ。(大阪府・豊能地区・大阪市・堺市)

〇( A )は、教育とは、発達の最近接領域に働きかけることによって、「潜在的な発達可能水準」であったものを「現時点での発達水準」に変えることだという理論を提唱した。子どもにはある課題を独力で解決できる水準があるが、その上には大人からヒントや援助が与えられれば解決できる水準があり、これら2つの水準の間の領域を発達の最近接領域と呼ぶ。
〇( B )は、精神分析的自我心理学に社会・文化的な要因を加えて、人間の歴史的存在としての側面を強調し、社会との相互作用において自我あるいは自己の発達をとらえようという心理社会的発達理論を提唱した。によるアイデンティティ及びモラトリアムの概念は、精神分析学の枠を超えて、現代人の心理的発達を検討する上で不可欠の心理学用語となっている。
〇( C )は、主に幼少期における養育者などとの関係性、ことにアタッチメントが、人間の生涯にわたるパーソナリティや社会的適応性などにいかに影響を及ぼすかを問うアタッチメント理論を提唱した。アタッチメントとは、危機的な状況に際して恐れや不安などの負の情動を経験したときに、特定対象との近接を求め、またこれを維持しようとする生物個体の傾性だとしている。

ア ヴィゴツキー(Vygotsky、Lev Semenovich)
イ マズロー(Maslow、Abraham Harold)
ウ エリクソン(Erikson、Erik Homburger)
エ マーラー(Mahler、Margaret Schoenberger)
オ ハヴィガースト(Havighurst、Robert James)
カ ボウルビィ(Bowlby、John)

 ⑴A-ア  B-ウ  C-オ  
 ⑵A-ア  B-ウ  C-カ  
 ⑶A-ア  B-エ  C-カ
 ⑷A-イ  B-ウ  C-カ  
 ⑸A-イ  B-エ  C-オ

【学習】
問題2.学習に関する記述として適切ではないものを選べ。(神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市)

⑴ ソーンダイクは、問題箱を用いた実験から、試行錯誤を繰り返すうちに、問題解決にかかる時間が減少していくことを、試行錯誤による問題解決と呼び、経験の法則、練習の法則で説明した。
⑵ ケーラーは、チンパンジーの実験から、問題場面に対する認知が変化することで、一気に問題解決の見通しが立つことを明らかにし、これを洞察学習と呼んだ。
⑶ トールマンは、ネズミを使った迷路学習の実験を行い、ネズミは最初の学習の結果として、食べ物が置かれている位置に関する包括的な認知地図を獲得していたと考察した。
⑷ スキナーは、オペラント条件づけとして、特定の行動をとった後に報酬を与えることで、その行動を学習することを説明した。

【教育評価①】
問題3.教育心理学の教育評価について、(   )に入る適語の正しい組み合わせを選べ。(高知県)

 教師の期待が、教師の教育活動全般に影響を及ぼし、それぞれの教育活動が児童生徒の学習活動に影響し、児童生徒の能力の向上につながる現象を( ① )という。それとは逆に、教師の児童生徒への否定的な見方によるマイナスの効果を( ② )という。また、学習者のもつ目立った特徴に引きずられて、その特徴だけでなく他のことまで同じように評価してしまう評価のゆがみのことを( ③ )という。

⑴①ピグマリオン効果  ②アンダーマイニング効果  ③ハロー効果
⑵①ピグマリオン効果  ②ゴーレム効果       ③ハロー効果
⑶①プライミング効果  ②アンダーマイニング効果  ③ホーソン効果
⑷①プライミング効果  ②ゴーレム効果       ③ハロー効果
⑸①ピグマリオン効果  ②ゴーレム効果       ③ホーソン効果

(解答・解説)

問題1.⑵ 

問題2.⑴
➡⑴「経験の法則、練習の法則」ではなく「効果の法則」。

問題3.⑵


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