教採に合格できなかった場合は、どうすればよいのでしょうか。いくつかの選択肢があるので解説していきます。
その① 講師として働きながら、再チャレンジ
健闘及ばず、もし不合格となってしまった場合、多くの人は講師(非正規教員)として学校で働きながら、翌年の試験に再チャレンジをしています。もちろん、講師になる際もごく簡単ではありますが、採用選考があります。一般的には、都道府県あるいは区市町村の教育委員会に講師として登録し、面接等を経て任用されます。
ただ、講師といっても任用形態はさまざまで、常勤でほぼ正規教員と同様の職務を担う「臨時的任用教職員」や「産休・育休代替教職員」もあれば、非常勤で担当授業のみ担う「会計年度任用職員(非常勤講師)」などもあります。常勤で働く場合、正規教員と同じくらいの報酬を得られますが、教採対策の時間は取りづらくなります。


その② 私立学校の教員を目指す
不合格になった人の中には、多くありませんが、私立学校の教員を目指す人もいます。ただし、私立学校の採用選考は公立学校の採用試験とは異なる対策が必要である上、どの学校も常時募集しているとは限らないので、採用されるのは容易ではありません。また、私立学校は異動がなく、採用されたら数十年にわたって同じ職場に勤務する可能性もあるので、校風や教育方針が自身に合ったものであるか、慎重に見極める必要があります。

その③ 教職大学院を目指す
不合格になった人のもう一つの選択肢として、教職大学院への進学があります。教職大学院は、一般の大学院の修士課程と異なり、教員として必要な実践力を養うことを目的とし、長期の実習などがカリキュラムに組み込まれています。多くの現場経験を積むことができるため、教員生活をスムーズに始める上でも有効な選択肢の一つです。現職教員の院生も在籍しているので、学校現場のリアルな話などを聞くこともできます。ただし、相応の入学金と授業料はかかります。


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