海外からの移住者が増える中、日本語が十分に話せない子どもも増え続けています。
そうした子どもへの支援・サポートも、学校教育の課題の一つです。
「日本語指導が必要な子」はどのくらいいるの?
「日本の学校が多様化・多国籍化している」という話は、多くの人が耳にしたことがあると思います。実際にどのくらい多様化・多国籍化しているかを表しているのが、右のグラフです。「日本語指導が必要な児童生徒」の数は2012年度の時点では3万3184人でしたが、直近の2023年度は6万9123人と約2.1倍も増えています。ただ、地域による差も大きく、東京都や大阪府、愛知県など、都市部の方が在籍する割合は多くなっています。このように、一部地域の学校では、日本語で普通に授業をするだけでは不十分な状況になっているのです。
「日本語指導が必要な子」には,どんな支援が行われているの?
「日本語指導が必要な子」への指導は、学校として組織的に行われます。学校によっては「日本語指導担当教師」が配置されているので、担任はこのスタッフと連携を取りながら指導や支援を行います。また、保護者との連絡や関係づくりも、日本語指導担当教師と連携しながら行います。学校管理職の役割は、教育委員会と連絡を取りながらスムーズに受け入れられる体制を整えること、教職員に向けて指導方法に関する研修会を開くことなどが挙げられます。
なお、日本の学校は学年ごとに学ぶ内容が決められていますが、日本語指導が必要な子がいる学校の場合は、「特別の教育課程」を編成し、柔軟に学習内容を調整することが認められています。
学級担任がすべきことは?
教員志望者として押さえておきたいのは、やはり学級担任としてすべきことについてです。具体的に受け入れから日常の指導に至るまで、以下のような役割が求められます。
押さえておこう!頻出の教育時事
「日本語指導が必要な子」に関連する教育時事の中で、教員採用試験によく出るものをピックアップします。
文部科学省「外国人児童生徒受入れの手引き(改訂版)」(2019年3月)
外国人生徒の受け入れについて、教育委員会や管理職、担任、日本語指導担当教師などがすべきことを解説した総合的な手引きです。このテーマでは最重要の教育時事の資料と言えます。
面接ではこう問われる!
質問例
「あなたが担任するクラスに、外国籍の子どもが入ってくることになりました。どのように対応しますか?」
- 模範解答例
まずは、その子がどのような経緯で日本の学校に来ることになったのか、背景の理解に努めます。その上で、その子が学校生活に馴染めるように、クラスの子どもたちに理解を促すようにします。何よりも互いの個性を尊重し、受容し合えるような学級づくりを心がけ、その子がクラスで孤立しないようにしていきたいと考えます。
もっと詳しく知りたい方は『月刊教員養成セミナー』2024年11月号をcheck✔
11月号の誌面では、特別な支援や配慮を必要としている子どもへの支援策に関連する法令や答申などを詳しく解説しているほか、実際に全国で出題された問題や、面接での質問例や模範解答なども掲載しています。ぜひお手にとってご覧ください。